
2023年10月に国からこんな義務化がありました。
・2006年9月以前の建物の解体や穴を開ける作業などの建物の材質の粉末が発生する工事をする際には建物の材質の事前の調査を義務付けて下さいとの申し出がありました。
実はこの義務化が工事屋さんやエアコン工事を頼まれるお客様の悩みの種となる事となりました。まず、お客様視点で話していきますとエアコン設置における費用が高くなってしまいます。頼まれる業者によると思いますが以前のエアコン設置の費用に比べて約1万5000円ほど高くなる事が予想されます。アスベスト対策以前の工事では簡易的な養生で済んでいたものがアスベスト対策を義務化された事で養生対策の他に作業員は防塵マスクを装着し壁に穴を開ける際には穴あけの際に発生する粉が部屋中に舞うのを防ぐために穴あけ用のコアに防塵カバーを取り付けて更にカバーに溜まった粉を掃除機が吸い出せるように掃除機と連動させ穴を開けます。設置にかかる時間が大幅に増えたことによりその負担が費用としてお客様にのしかかる事となりました。お客様に負担となる事と同時に工事屋さんにも工事の負荷が増すことに、、、。エアコン工事の取付は標準工事内で約1時間半程で完了致します。ですが現場によりアスベスト対策をしていかなければならない現場に関しましては従来のエアコン工事よりも更に時間がかかってしまいます。何故今回アスベスト対策をしていくように国は義務付けてきたのかを順を追って紹介していきたいと思います!
「石綿アスベストとは?」

石綿アスベストとは繊維状の鉱物でアスベストにはアモサイト、クリソタイルと呼ばれる種類の鉱物などがあり全部で6種類あるとされています。これらの石綿アスベストを建物の材質に混ぜて使用する事で吸音効果や断熱効果、電気を通さないなどあらゆる面において万能の素材とされており奇跡の鉱物として重宝されていた材料でした。アスベストは安価ということもあり世界中で建物の建材に使用され日本でも多くの建物に使用されていました。ですが、万能と言われていた奇跡の鉱物石綿アスベストは人への人害被害が相次ぎ世界で規制がかけられ日本では、2006年9月以降にアスベストの使用が完全禁止となりました。
「石綿アスベストによる健康被害」
石綿アスベストはとても細かくて細い繊維状の鉱物が集まった粒子で目に見えない程の物質です。アスベストを吸い込むと肺の奥の方まで到達してしまい体の外に排出されず蓄積されてしまいます。その結果肺が硬化したり最悪癌になったりします。奇跡の鉱物とまで言われた石綿アスベストは人への甚大な被害が世界中で相次ぎ使用が禁止となっていきました。
「アスベスト対策作業は周りの人間を守る為の政策」
エアコン工事などで穴あけ作業がある場合には2006年9月以降に建てられた建物であるか確認をする必要があります。建築資料などを確認し2006年9月以降であれば今まで通り穴あけ作業をする事ができます。9月以前であれば石綿アスベストの調査が必要となります。調査方法としましては建築資料での確認や目視確認、調査機関へ送って調べて貰うなどのやり方があったりします。家庭用エアコン工事を行っていく際には建築物に含まれるアスベストのレベルはほとんどの建物が”レベル3”となっているようです。レベル3はレベル1に比べ極めてかなり軽度の低いものとなっています。家庭用エアコン工事では石綿アスベストの調査に対して調査機関に出すというようなやり方はほとんど行われません。石綿アスベストの調査資格者が現地で判断し工事を行っていきます。現地での判断や並びにアスベスト対策を行った工事に関しましては資格が必要となってきます。作業員は資格講習という名の学びの場のキッカケからアスベスト対策の重要性を知る事で建物からでる粉塵への対応、対策をより意識して工事する事で自分の身、お客様、周りの人達への安全を意識して工事を行う事になります。現在日本では人手不足が囁かれています。アスベスト対策は周りの人達への安全もそうですが何よりも現場で働く作業員を守る為の政策のようにも感じます。そのような視点で考えると工事は負担が増しましたが結果的には自分の身を守って作業をする事が出来ているのかな?と今では思っています。
「まとめ」
穴あけ作業においてお客様への工事費用の負担、作業員の作業負担が増えたが健康被害に対する国の取り組みのお陰で長い目で見ると人を守る良い政策だなと思いました。