隠蔽配管工事について記事を書いていきたいと思います。隠蔽配管工事とは建物の壁の中にエアコン用の配管が埋込まれている設置工事の事を言います。通常の工事ではエアコン用の配管は部屋内から外へとすぐに露出され設置します。外へと露出された配管はテープ巻きで見た目を良くして設置したり化粧カバーに収めて見た目を良くして設置したりします。これが一般的な設置方法となりますが稀にお部屋の構造上エアコンの設置場所から外壁まで距離が遠い場合には壁の中に予め配管を仕込んでおき建物が出来上がってから壁の中に通したパイプにエアコンを設置します。美観としましてはエアコンパイプが見えてない分綺麗に見えるかもしれないです。ですが、、、。エアコン屋さんからの観点からしますとオススメ出来ない設置方法です。隠蔽配管のデメリットについて次の項目で触れていきたいと思います。
「隠蔽配管のデメリット」
隠蔽配管の設置工事のデメリットはエアコンの入替工事の際に配管を新しく出来ないというデメリットがあります。通常の工事では配管穴から外に露出してる為配管も新しいものに交換をして設置します。それに比べ隠蔽配管の場合は壁の中に配管が通されている為配管の入替がほとんどの場合ができません。その為古い配管を再利用して設置する事となりあらゆる問題が付きまとう事となります。
1.配管を再利用する為配管内部の汚れによりエアコンの効きが悪くなる可能性がある。
エアコンの入替工事の際に外すエアコンが故障して動かない場合には配管内にフロンガスや潤滑オイルが残ってしまいます。その為配管内部の洗浄が必要となります。配管に必要となる窒素ガスやフロン洗浄液を使用して洗浄しますが材料が高額である事と作業コストが多くなる事から窒素ブローのみの洗浄で30000円、洗浄液を使用しての洗浄では50000円と高額となります。家電製品が大体10年で買い替え時期だとされているので10年を日割り計算すると(税抜き)約14円となりますがお客様にとって高い出費だと感じるようであれば隠蔽配管の設置方法は避けた方が良いでしょう。配管洗浄を避けたい場合にはエアコンが故障する前に買い替えをオススメします。
2.断熱劣化により壁にシミができる可能性がある
隠蔽配管での入れ替え工事は既存の配管を再利用する為に配管を覆っている断熱材が劣化して結露水が壁内で発生してしまいシミになってしまう可能性があります。壁内に配管が通っている為断熱材の補修工事ができません。運が悪いと壁内に侵入したネズミに断熱材をかみ切られる事もございます。壁内の配管を確認出来ない為常にこういった結露リスクが伴います。
3.ケーブルの繋ぎ足しでエアコンにエラーが発生してしまう可能性がある。
隠蔽配管の工事では室内機と室外機を電気的に接続する為のvvfケーブルも壁内に配線されている為ケーブルも再利用する事になります。エアコンの種類によってはケーブルを接続する為のコネクターの位置が違う為ケーブルが届かなくなる事がよくあります。それが原因で設置業者に設置を断られる可能性もあったりケーブルを延長して接続部分が原因でエラーが発生したりする事があります。エアコン工事は通常保証期間が1年だったりします。一年以上経過していると保証対象外となる為に出張料が発生したりとメンテナンス費用が余分にかかったりします。
4.設置費用が高くなる。
隠蔽配管の設置工事は通常の設置工事に比べて追加料金が発生します。隠蔽配管の設置工事は通常の工事とは異なる設置方法をとります。エアコンを引っかける為の背板を取り付けて配管を繋げて背板に引っかけたり、はたまた先にエアコンを引っかけて外で繋いだりする方法が一般的ですが隠蔽配管の場合は背板にエアコン本体を引っかけて本体下を浮かして浮かした隙間からパイプを繋がなくてはいけません。その為に通常の工事に比べて手間がかかる為取付工事の費用が高くなってしまいます。
「まとめ」
以上の事を踏まえまして隠蔽配管の設置工事はあまりオススメはできません。入れ替え工事の度にエアコン屋さんからあらゆる指摘を受ける可能性があります。費用は通常工事に比べて必ずと言って良い程高くなります。そしてエアコン屋さんの私の視点から言わせて頂きますとあまりやりたくない工事となっています。手間がとにかくかかる工事となっている為に現場を抱えている日には日延べ工事となってしまう事も少なくありません。年々暑さが増している左近、エアコンは欠かせない存在となっております。工事をお願いして工事がすぐに行う事が出来ず日延べ工事となってしまう場合には不便を感じてしまう事もあるでしょう。これから新築購入をご検討の方はエアコンの設置環境も基準の一つにしてはいかがでしょうか。